観光立国という国策で増えた訪日外国人について解説してみた

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亮介坪田

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観光立国って何?

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みなさんは「観光立国」って言葉を聞いたことありますか?
実は最近このワードが様々な場面で飛び交ってるんですよ!!

ん~、なんとなく聞いたことあるような?
私は旅行が趣味で普段から旅行関連の雑誌とかサイトをよく見るんですけど、たまに載ってたりしますよね!
でもなんか「観光立国」って文字にすると壮大な感じがしますよね!……

で、観光立国ってそもそも何なんですか?笑

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あまり聞き慣れない言葉ですよね(笑)
じゃあせっかくなんで、観光立国について説明していきますね!
ちょっと難しそうなんで、できるだけ分かりやすくお願いします……
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オッケーです!
まぁ、すごくシンプルに説明すると観光立国っていうのは「観光客が使ってくれるお金を国の経済基盤にしよう」っていう考え方のことですね!
だから観光立国を目指そうと思うと、観光客をいかに増やすかを考えることが重要になりますね!
なるほど……なんとなくイメージが湧いてきたかも?
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じゃあもう少し詳しく説明していきますね!
「観光立国」とは
■国内にある様々な観光資源を整備し国内外の観光客を誘致することで、これら誘致した観光客の購買・消費等によって得られる経済効果を国の経済基盤の一つとすることを意味します。
日本における観光資源とは、自然や歴史的建造物、日本食の文化等多岐にわたり非常に豊富な種類のものが挙げられます。自然や歴史的建造物と言うと、世界遺産のようなものをイメージしがちですが、近年外国人の間では日本の田舎人気が高まっていたりするので自然豊かな環境下にある日本において観光資源は意外と身近なところに溢れているのです。
また、ちょっと見方を変えると日本のアニメなんかも外国人からの評価が高く、いわゆるコミケの外国人参加者やアニメの聖地巡礼といった文化も外国人に広まりつつあり、これについても観光資源となりえると考えられます。
なんか、いきなり真面目な説明ですね。笑
確かに言われてみると日本って自然に溢れてて安全でおいしいものがたくさんあるから、観光立国を目指すのもなんとなく分かりますよね!
……でも、そもそもそんなこと結構前から考えられてそうだけど、観光立国って言葉はそもそもいつから出てきた言葉なんですか?
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じゃあ、まずはこの観光立国という言葉が出てきた背景について話していきますね!

日本における観光立国

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日本で観光立国って言葉が意識されるようになったのって実は結構最近なんですよね。
2003年1月に当時総理大臣だった小泉純一郎首相が開催した観光立国懇談会で、観光立国を目指すことを
提案したことから日本はこの観光立国っていうワードを意識するようになったんですよね。

そうなんですね!
…で、その懇談会って何ですか?笑
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観光立国懇親会は首相を含め、いろんな有識者を集めて幅広い視点で
日本が観光立国になるためにどうすべきなのかを考えるために開催されたものです。
この懇談会の出席者には、大学教授やデザイナー、アナウンサーといった感じに様々な業界の人たちがいました。
それで、当時の懇談会では「住んでよし、訪れてよしの国づくり」をコンセプトに掲げて、2010年には訪日外国人旅行者を1,000万人に倍増しようっていう目標を立ててたんですね!

観光産業っていろんな業界と関わってくる広い分野だから、いろんな意見を集めたかったんでしょうね。
それにしても、1,000万人に倍増ってことは、その当時の日本はそんなに訪日外国人旅行客がいなかったんですか?

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おっ!
実はそのとおりで、当時の日本って海外に旅行する人が年間1,600万人を超えていたのに対して、
2002年まで外国から日本へ訪れる訪日外国人旅行客の数が年間500万人を超えることが中々なかったんですよ!
へぇ~
日本ってあんまり人気なかったんですかね?笑
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いや、そういうわけではないですよ!笑
それまでの日本は観光産業に対する意識があまり高くなくて、この分野に力を入れてなかったんですよね。
そんな状況を変えるために観光立国の実現を目指そうとしたんですよ!
ちょうどグラフで訪日外国人数の推移を表してみるとこんな感じになります!
訪日外国人-人数-増加-推移
訪日外国人の推移
なるほど!
こう見ると、当初の2010年までに1,000万人っていう目標には届いてないですが、途中からすごい伸び方してますね!
そもそもなんで観光産業に焦点を当てたんですかね?
もともと日本って独自の文化があって観光資源も豊富なので特に何もしなくていいんじゃないですか?
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確かに言うとおり観光資源が豊富っていうのは間違いないんですけど、そこが逆に当時の日本ではいろいろ誤解されてたとこがあったんですね!
じゃあ、次になぜ日本が観光立国を目指すほど観光産業に力を入れ始めたかという点について話していきましょうか。

なぜ観光立国を目指すのか?

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日本が観光産業に着目し始めたきっかけって色々あるんだけど、例えばどういうものがあるかわかりますか?

ん~そうですね…
やっぱり日本ってどこ行ってもおいしいものとかキレイな街並みがあるからじゃないですか?
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もちろん観光資源が豊富だっていう前提はあるんですけど、もっと根本的に日本が抱えてる問題から観光を強化していく必要があったんですよ。
あっ!もしかして少子化問題ですか?
最近よくニュースとかで耳にしますけど、これから日本の人口が減っていくんですよね?
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そう!まさにそのとおりなんだよ。
というか既に日本の人口って2011年から減少し続けていて、2053年には日本の人口が1億人を割るっていう統計が出てます。
2019年ではまだ1億2千万人程度はいるので、今から30年くらいで2,000万人以上が減少するってことですね。
このまま人口減少が進むと労働人口も消費人口も減っちゃうから、どんどん日本の経済が衰退していき大変なことになりますね!
なるほど…
でも、なんで観光産業なんですか?
もっと日本の技術とか魅力を世界に売っていく!みたいな感じでも良さそうなんですけどね。
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たしかにそういうのもいいと思うんですけど既にやっている状況ですからね…
じゃあ、ちょっと観光産業に着目して考えてみましょうか!
まず、日本ではさっきも話したように観光資源がとても豊富にあって、観光を世界に発信していくにはすごく好条件な国です。
そして、もっと大事なことがその経済効果ですね!
経済効果?
まぁ旅行客が増えれば景気も良くなりそうですもんね!
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旅行客の数も大事ですし、訪日外国人旅行客の特徴として大きいのは使ってくれるお金が非常に多いってところにあって
実は訪日外国人旅行客が使う1人あたりの平均旅行支出は約13万円で、これは日本人の国内旅行者に比べて約2.5倍の消費額とも言われてるんですよ!
えっ!?
そんなに違うんですか?
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これって逆に考えてもそうなんですが、海外旅行とか行くとついつい良いもの食べに行こう!とか良いホテルに泊まろう!っていう気持ちになりますよね?
それと一緒で訪日外国人旅行客もやっぱり日本に来たらちょっとぐらい贅沢したりいろんなものを買って帰ったり…って考える傾向にあるんですね!
なるほど…
そういえば僕も海外旅行とか行くとちょっとでも良いホテルとかその国の有名な料理とか気になって、ついつい財布の紐も緩んじゃいますね。
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実はこの話には続きがあって、訪日外国人旅行客がもたらす経済効果は現状でもかなりの規模があるんですよ!
観光庁の調査報告によれば2018年における訪日外国人旅行客の旅行消費額は約4.5兆円にもなります!
4.5兆円!?
なんか大きすぎてイメージが湧きませんね…笑
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ん~例えば、これって日本の輸出産業と比べるとよくわかるんですけど
日本の輸出品目で最も輸出金額が大きいのは自動車で約12.3兆円、次に大きいのが半導体関連で約4.2兆円なんですよね。
…えっ!すごいじゃないですか!!
そんな影響力があったんですね。
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こう考えてみると、日本が観光産業を推し進めるのもイメージできますね!
日本が観光立国を目指すのか

日本の人口減少は深刻化しているため
 ⇒現在の日本は人口が減少傾向にあり、将来の生産人口および消費人口は減少していくことが見込まれているため将来的に日本の消費力を促進していく必要がある。

訪日外国人旅行客は消費者1人あたりの消費単価が大きいため
 ⇒訪日外国人旅行客1人あたりの消費単価は日本の国内旅行者の約2.5倍になっており、効率的な経済効果を受けることができます。

観光産業としての経済効果が大きいため
 ⇒観光産業の経済効果はすでに4.5兆円にも上っており、これは輸出産業の上位に匹敵する経済効果がある。

今後の日本における観光立国の状況

日本が観光立国を目指すのはわかったんですが、これからの日本ってどうなっていくんですかね?

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実はそこも日本政府が明確にしていて、2016年に「観光先進国」に向けた国づくりを進めるため
“明日の日本を支える観光ビジョン構想会議”を開催して、日本の観光立国に対する明確なビジョンを定めました。
そこでは「2020年には訪日外国人旅行者数4,000万人で訪日外国人旅行消費額8兆円2030年には訪日外国人旅行者数6,000万人で訪日外国人旅行消費額15兆円
という数値目標を掲げて、これに向けて様々な政策を講じていくことを考えています!
また、2019年にはラグビーワールドカップ、2020年には東京オリンピック、2025年には大阪万博といった国際的なイベントも控えていたり
いわゆるカジノ法と呼ばれるIR推進法が2016年に施行されたりと観光立国の実現を後押しする状況が続いており、今後の展開が期待されていますね。

観光立国の実現に向けた政府の取組

2003年(H15) 1月 小泉純一郎総理(当時)が「観光立国懇談会」を主宰
4月 ビジット・ジャパン事業開始
2006年(H18) 12月 観光立国推進基本法が成立
2007年(H19) 6月 観光立国推進基本計画を閣議決定
2008年(H20) 10月 観光庁設置
2009年(H21) 7月 中国個人観光ビザ発給開始
2012年(H24) 3月 観光立国推進基本計画を閣議決定
2013年(H25) 1月 「日本再生に向けた緊急経済対策」を閣議決定
第1回国土交通省観光立国推進本部を開催
3月 第1回観光立国推進閣僚会議を開催
4月 第2回国土交通省観光立国推進本部を開催 (「国土交通省観光立国推進本部とりまとめ」を公表)
6月 第2回観光立国推進閣僚会議を開催 (「観光立国実現に向けたアクション・プログラム」をとりまとめ)

「日本再興戦略-JAPAN is BACK- 」を閣議決定

12月 訪日外国人旅行者1300万人達成
2014年(H26) 6月 「観光立国実現に向けたアクション・プログラム2014」決定 (「2020年に向けて、訪日外国人旅行者数2000万人の高みを目指す」ことを明記)

「日本再興戦略」改訂2014 閣議決定

2015年(H27) 6月 「観光立国実現に向けたアクション・プログラム2015」決定 (「2000万人時代を万全の備えで迎え、2000万人時代を早期実現する」ことを明記)

「日本再興戦略」改定2015 閣議決定

11月 安倍総理が第1回「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」を開催
12月 訪日外国人旅行者1900万人達成
2016年(H28) 3月 「明日の日本を支える観光ビジョン」策定

※観光庁ホームページ (http://www.mlit.go.jp/kankocho/kankorikkoku/index.html)を加工して作成

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

今日は観光立国と、その重要性について説明していきました。

皆様のお役に立てれば幸いです。

 

では今日はここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました^ ^

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