村田 明浩
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インバウンドは課題だらけ?
ざーぼんさん、前回インバウンドの重要性について話してくれましたよね!
確かにインバウンドが日本の将来にとってすごく重要だということはわかったんですが、これって本当に順調に進むんですか?

<前回の記事:インバウンドの重要性>
でも確かに、インバウンドが本当に順調にこのままうまくいくのっていうのは当然の疑問ですよね!
日本が掲げている目標は、2020年に訪日外国人数4,000万人、2030年に6,000万人ですが、この数字は決して楽に達成できるような数字ではありません!
国として目標を公表している以上、ある程度保守的に見積もっての目標設定になっているとも言えるでしょう。
ただ、だからと言って上記の目標を達成するには、日本にはまだまだ解決していかないといけない課題はたくさんありますよ!


インバウンド拡大に向けて解決すべき日本の課題について
では早速みていきましょう!
日本の課題としてインバウンド拡大の障害となっているのは主に以下の9点だと考えられています!
日本の課題
①外国人観光客の受け入れ側の施設の整備
②多言語対応が間に合っていない
③LCCの整備
④大都市以外の地方への誘致
⑤宿泊施設の不足
⑥Wi-Fiの整備
⑦わかりやすい交通機関の整備
⑧クレジットカード・電子マネー決済の利用環境の拡大
⑨両替環境の改善
うわ、こんなにあるんですね!


①外国人観光客の受け入れ側の施設の整備
日本の飲食店・宿泊施設・小売店等の施設において、訪日外国人客に対する接客という意味では高い評価を得ていますが、
一方で施設として外国人客に向けた整備がきちんとされているかというと、はっきりいってかなり壊滅的な状況と言わざるを得ません。
具体的にどういう部分について改善が必要か飲食店を例に説明していきます。
【外国語看板の不足】
ポスターや看板などを使用して外国人客の来店を歓迎している旨のアピールをできているお店は少ない状況です。
また、たとえWelcomeボードを用意しているお店でも、「どういう店なのか?」、「どういうメニューがあるのか?」を示しているお店が少ないため、
外国人客からすると自分たちがこのお店に入って歓迎されるのかどうか、もしくは
自分たちが求めているようなお店なのかどうかが判別しにくく、入店のハードルを高くしてしまっている点などが挙げられます。
【現地語メニューの整備不足】
また、仮に外国人客が入店したとしても、現地語のメニューを整備しているお店が少なく(あっても英語メニュー程度のお店が多い)、
結局外国人客は注文の段階でつまづき、また対応するお店側のスタッフも外国人客の注文を受けやすい工夫がされた現地語メニューが
ないことから、接客面でも十分なパフォーマンスを提供するのが難しくなっていることが挙げられます。
【旅行前外国人客に対するアプローチ不足】
また、そもそも外国人客は旅行前から、利用するお店をある程度選んでいることが多いのですが、
旅行前の外国人客にお店をアピールできているお店が少ないため、うまく大国人客の集客を
うまくできていないお店がほとんどという状況です。
上記については対応しようとすれば比較的すぐにでき、かつ効果の高い部分になるので、
飲食店の早急な対応が求められています。
②多言語対応が間に合っていない
先ほどと多少かぶる部分もありますが、外国人観光客がスムーズに観光を楽しむためには、多言語対応は不可欠な要素となります。
しかし、いまだ飲食施設、宿泊施設、ショッピング施設、交通機関、観光施設などで
多言語表記の対応状況は間に合っていない状況にあります。
英文表記のものを用意しておけばある程度対応できると考えられている方も多いようですが、
それはあくまで、一般的にどの国でも通じるような有名な英語のワードに限られますし、
併せて視覚的なマークや写真などである程度伝わる工夫ができている場合のみ通じると考えた方がいいです。
例えば、私たちもフレンチを食べにレストランに行ったとした場合を考えてみればわかりやすいです。
フレンチについて余程詳しい場合を除き、写真無しの英語表記のメニューだけで、どんなメニューか理解できますでしょうか?
日本の施設はまだまだ上記のような状況の施設が多いのです。
このように、多言語対応の状況が遅れていることが、外国人旅行者の不満ポイントとして挙げられています。
③LCCの整備
日本は魅力的な観光資源を多く保有しており、観光地としてのポテンシャルは世界的にもトップレベルの評価をされています。
しかし、飛行機や電車などの移動面でのコストが高いことが大きな課題となっています。
特に日本は島国であるため、外国人旅行者の大半が飛行機を使って日本にやってきます。
ここ数年でLCCの便数を増やしており、コストの問題は徐々に解消されつつありますが、まだまだコスト面では改善の余地があります。
そのため今後インバウンドの増加を狙うにあたっては、コストを下げる施策やLCCの増便などの対応が重要となっています。
④大都市以外の地方への誘致
現在日本においては、まだまだ東京、大阪、京都などのいわゆるゴールデンルートに訪日外国人が集中している状況にあります。
この結果、大都市については許容量を超えて訪日外国人が訪れる状態を示すオーバーツーリズムが問題となっています。
しかし日本では上記以外の都道府県もそれぞれ多くの魅力を持っており、しっかりと外国人への認知を進めることができれば
地方へ訪れる旅行者は増えることが期待できます。
今後訪日外国人の数を増やしていくためには、地方への分散は必須の課題となると言えるでしょう。
⑤宿泊施設の不足
上記で述べた通り、大都市ではすでに現状の許容量を超えた訪日外国人が訪れています。
必然的に、外国人客が泊まる宿泊施設も不足する事態となっています。
今後訪日外国人を増やしていくためには、当然地方への分散も必須ではありますが、
大都市自身も訪日外国人客の受け入れ能力を増やすために、宿泊施設の不足に対応していく必要があります。
⑥Wi-Fiの整備
海外旅行においてケータイが使えなくなるのは致命的であると言えます。
しかし日本では、まだまだWi-Fiの整備が追いついておらず、街中ですらフリーWi-Fiを利用できることが中々できないため、
ポケットWi-Fi無しには安心して観光をできない状況であると言えます。
例えば韓国であれば、街のあらゆるところでWi-Fiが利用でき、カフェに入れば大抵が無料で利用することが可能となっています。
日本においてもWi-Fiの整備は早急に対応が必要な項目の一つとなっています。
⑦わかりやすい交通機関の整備
外国人客にアンケートを取った際に、不満足事項としてよくあげられるのが、交通機関の複雑性です。
日本では外国人旅行者向けに、様々なフリーパスが存在していますが、それぞれ利用できる領域が異なるなど、
一つのパスさえ持てば万能で使い放題というものが存在しません。
またそれだけでなく路線の数も多く、外国人でもわかる詳細な道案内がないケースも多いため、
今後は、多言語対応の強化やフリーパスの改善が必要となっています。
⑧クレジットカード・電子マネー決済の利用環境の拡大
日本ではいまだに現金での支払いが主流となっており、外国人観光客にとって
決済面で不便な場面が多い現状となっております。
今後はカード決済など、現金を用いなくとも決済ができる環境を目指していくことが必要です。
⑨両替環境の改善
日本においては、現金支払いが主流となっているにもかかわらず、外貨を日本円に両替できる場所が圧倒的に不足しています。
今後は外国人観光客が多く訪れるところを中心に両替可能な施設・設備を整備していく必要があります。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今日は、訪日外国人の増加に向けて日本が解決していかないといけない9つの課題についてご紹介しました。
皆様のご参考になれれば嬉しいです^ ^
では、今日はここまで。
最後までありがとうございました!